三春の自然-061/070page
をもらっていたためであり、また、昔から人々の滝桜に対する愛護の気持ちによって守られてきたためでもあろう。
開花期は例年4月下旬で、直径1.3cmぐらいの美しい花を枝いっぱいにつける。その枝が地面近くにまで垂れ、その様子は滝の姿に似ている。
葉桜もまた見事で、若葉が枝いっぱいに広がり、あたかも一つの小山をつくるようである。また、青空をバックに大木が紅葉した滝桜もすばらしい。
秋の滝桜
冬、雪の中に黒々とした姿をみせて、どっしりとすわっている様子は、厳しい自然の風雪に耐えて生き続けてきた年輪を感じさせて見ごたえがある。
滝桜は、江戸時代(1603〜1867)のころ、すでに京の都に住む公家や歌人の間でも評判になり、「名に高き三春の里の滝桜 そらにもつづく花の白波」などと歌にも詠まれている。
冬の滝桜