滝根町の文化財-012/016page

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精九郎壇と山毛欅(ブナ) 町指定天然記念物

昭和五十年八月一日指定

精九郎壇
精九郎壇

 精九郎壇とブナは滝根町と川内村(双葉郡)との境界に位置する金山地区にある。壇(塚)は高さ一メートル、直径八メートル前後の円形で無数の小石が積まれており一種の境塚である。

 その昔川内村と神俣村との境界争いの時に、川内村の精九郎が正直に境を言いもらした、そのため川内村が争論に負け、精九郎は首だけ出して生き埋めにされたという。精九郎が生きている間は両村から食物を運んだという。その時精九郎は「川内村と神俣村の両村が見える処にうめられて満足だ、死んだら大きい石碑をたのむ」と言ったそうだが、不便な山頂のため石碑は立てるまでには至っていない。そこで、両村の人々は彼の霊をなぐさめるため、行く人来る人はせめてもと小石を供えたのだという伝説がある。

 この壇のあるブナは推定樹齢三百年で、胸高周囲三・五メートル、樹高十・二メートル、全体の枝張り十九・三メートルの古木である。樹勢は西からの強い風に耐えるように、枝全体がかしいでいる。

 所在地 滝根町大字神俣字大滝根地内
 所有者 滝根町


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