あぶくま洞・入水鍾乳洞-005/030page
●水蝕の跡
鍾乳洞のほとんどは、その中を流れる地下水の力でできます。地上の川と同じようにまがりくねったり、また洞穴にしか見られない、特有の形があります。
●鍾乳石
鍾乳洞の主役はなんといっても、鍾乳石です。この鍾乳石という名前は、乳水(石炭岩が水でとかされてできた炭酸カルシウム)が鍾(あつまってできた石というところがらつけられました。雨水は空気のなかや土のなかにふくまれている炭酸ガスといっしょになって、弱い炭酸というものになります。この炭酸がが石灰炭の割れ目に入り、しみこみ、そして岩炭岩をとかして洞穴の割れ目から出てきます。石灰岩は、炭酸カルシウムからできていて、炭酸にこれをとかして出てきます。この水が鍾乳石をつくります。とても長い時間をかけて、この水は炭酸ガスを出して、炭酸カルシウムの結晶をつくります。この結晶がどんどん大きくなって、鍾乳石ができ上ります。
●鍾乳管
洞穴の天井小さな割れ目からしみ出してくる炭酸カルシウムをふくんだ水は、水滴となって下へ落ちます。落ちる前に水滴はすこしのあいだ天井に止まっています。このあいだに炭酸ガスが出て、水の表面に炭酸カルシウムの結晶ができます。この炭酸カルシウムの膜は、根本にあつまり、すこしずつかたまっていきます。これをくりかえし長さを増して、大きくなっていきます。これが鍾乳管です。直径は、5mm〜7mmくらいで、長さは1mを越すものもありますが、大変おれやすく、長くなりすぎると自然にすれてしまうことが多いのです。1年間に1〜1/4mm、1cmのびるのに10年もかかります。
●つらら石
鏡乳管がつくられていくなかで、この先が結晶によってふさがれてしまうことがあります。成長を続けてきた鍾乳管は、これで成長を止めます。しかし、天井をつたわってくる水によって、この鍾乳管の外側を流れ、その表面で結晶をつくります。これがつらら石です。つらら石の成長の速度は、鍾乳管よりもずっとおそいといわれています。