白河市文化財パンフレット 谷津田川流域水車跡群 発掘調査概要 - 005/020page

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V.水車のありし姿

 「水車のある風景」では、谷津田川に点々としていた水車をイメージできたでしょうか。では次に、水車はどんな姿をしていたのでしょうか。また水車小屋の中には何があったのでしょうか。

1.描かれた姿

 谷津田川にあった水車の明治時代の絵図面です。以下は調査で見っかった水車跡とも共通し、谷津田川の水車の特徴を見ることができます。
 水車には谷津田川の本流から水を引く水路が作られていました。調査では水車小屋の上流側を導水路(どうすいろ)、下流側を排水路(はいすいろ)と呼んでいます。水車小屋の手前で水の量を調節する放水路(ほうすいろ)が設けられる場合もあります。
 水車小屋は水路をまたいで建てられ、水輪(すいりん)は屋内で回っていました。水輪を回す水の勢いを高めるために、導水路は序々に幅が狭められています。水輪の下の部分には特に急な勾配の(とい)などが作られ、水輪の下半に水をかけて回す、「下がけ式」の水車でした。

絵図に描かれた大正時代の谷津田川
水車平面図  住所に袋町と書かれ、新橋の上流側にあった松葉屋のものであると考えられます。


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