西郷村社会科副読本 DATA BOOK-068/147page

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いつかー ねずみがー 五升樽さげでぇ
裏の細道 ちょろちょろと
向い山(かんま)の柴栗がー えんでこぼれて拾(ひら)われてー
あしたの茶の子に ん(う)まかんべー
んまかんべー 茶の子(三時のお茶飲みの菓子)
(8)小豆(あずき)の化(ば)け虫
 ざっと昔、国がとても、乱れっちまって百姓はがどうにもなんねったって、ある時道のよせ(かたわら)で仕事しったんだってなイ。「きょうは殿さまが通るんだってナ、道のよせで仕事してでみべぇ」って、小豆畑で畑をうなって(耕して)いたんだって。ことしは何も穫(と)んにぇ飢饉(がし)年(どし)でなイ食う物が無(ね)もんだから、殿(との)さまは百姓が一生けんめい働いでっとこさ小麦まんじゅうを、ぼだっぼだっと落としていったんだって、百姓になイ、殿さまが食べらしてくって(食べさせたいと思って)ずっーと落としてったんだなイ。ほだけども、まんじゅうってこと知らねもんだがら、「おかしぇ(不思議だ)な、足も無(ね)え、口も無(ね)えものが落ちてる」つ(言)って、鍬(くわ)もってきてこう切ってみたんだって、したら小豆(あずき)いっぱい入ってるんで、「これ、このちきしょうだ、これ、小豆みんな食っちまったのは、ほんで憎(にく)らしがらこの虫皆殺しちまうべ」っつって、百姓たちはみなしてまんじゅうを切って殺しちまったって、小豆みな食われっちまったんで、ごせやけたん(腹が立った)だべなイ。
(9)蛙(かえる)の恩かえし
 昔(ざっと)、追原(おいはら)の入りの(奥の)鎮守様に、ある父(と)っつあんがお詣りにいったんだなイ、そしたら蛇がでかい(大きい)蛙を呑んでだんだって、「あら、可愛いそうだがら救ってやんべ」と思って、したが(だが)どうしたらその蛇がら蛙を離させだらいいかと思って考えでがら「蛇よ、その蛙を離してくんにィが、おれの娘を呉れっがら」って言ったら、蛇が蛙を離しちゃったんだってなイ、だが家さ来て娘が嫌(や)だっいったら(言ったら)大変だど思って、病気になっちまったんだっうんだなイ。したら娘たちが、「父(と)うちゃん、なにして寝てんだ」って言(ゆ)ったがら、「俺が言(ゆ)うごど誰でもええがら聞いでくんにが」ってゆったら、「お父(と)っつあんのごどだらなんでも聞いてやっぺ」ってゆったので、「んじゃら(それなら)誰が蛇んどこに嫁さ行ってくんにいが(くれないか)」ってゆったら、「蛇んどこさなんか行ってらんに」ちゅうわげ、だが三人ある中一番ばっち(末娘)が出て、「蛇んどこさ行ってやっぺって、じゃら針千本とふくべ(瓢箪)千揃えて箱さ入っちくんちぇ」ってゆったんだって。したら蛇が立派な男になって迎えに来たんだって、ほんで、誰も居ねんだがらその箱背負(しょ)ってもらえでって、その箱なイ。で、家でも父っちゃんがついで行ったんだって、どこまでどこまで行ったら大した山ん中へ行っちゃって父(と)うちゃんここがら帰って貰うでぇって、「ほんじゃら俺は帰っから」って家さ帰ったんだって、そしている中に娘が蛇に、「この箱、池の中さ入っちんくちぇ、おめの入ってくどこさァ入っちくんちぇ」って。したら、「そんなごとわけねえ」どなって、ずっーとして入れっちやんだって、はじまりはよう、ええあんばいの男んなって一しょうけんめ運んだって、しまいにこんだはぁ、本音(ほんね)あらわしちゃって蛇の姿で穴へつっこみ穴へつっこみしたって、ほら、針は口の中へ入っちゃったべし、ふくべはなんぼ突ったってきたって浮きっちまうべ、なんぼもなんぼもやってる中につかれではぁそこで死んじまったっつうんだ。
 はあ、家さ着いたのは晩方になっちまって暗くなってなイ、したら

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