塙町の文化財 -021/105page

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町指定有形文化財

湯舟観音堂

湯舟観音堂

塙町指定 昭和51年2月12日
所在地 大字山形字桜下134

 本堂は、調査によると、内陣の円柱四天柱上に禅宗様式の三ツ斗が残され、寛文(1660年代)の頃、廃寺高徳院観音堂の移築と思われる。その後、元禄4年・天明6年に修築され、現在の堂は廃仏風潮の折にもかかわらず、明治2年方三間(ま)、宝形造、四周に擬宝珠つき高欄の切目縁を巡らし、正面格子戸は、擢(す)り 上げとして旧来の仏堂様式を受け継ぎ、当時としては、丁重な建築であった。天上裏の彩色画は、棚倉藩士関口松宇筆、寄進者は雨谷の荒川彦惣とある。

 内陣本尊仏は、小型の厨子に納められ秘仏とされてきたが、調査の結果、宝町初期の宋風様式を残す聖観音像で、当地方の数少ない貴重な仏像である。

 本尊はまた、馬の守護仏とされ、馬産地だった当地方では、広く厚い信仰があり、年2回の縁日(旧正月・7月)には、遠近の参拝者で賑わった。本堂内外の数多くの絵馬は、地方稀な民俗文化財でもある。


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