塙町の文化財 -022/105page

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町指定有形文化財

台宿薬王寺薬師堂

台宿薬王寺薬師堂

塙町指定 昭和51年2月12日
所在地 大字台宿字大久保53

 本堂は、延宝(1673〜80)の昔、米山中興の祖と言われる宥善上人や、安永(1772〜80)年間の義観上人らの布教等によって、八溝山をとりまく広域に「米山薬師信仰」が高まり、多くの信徒達の寄進により、寛政2年(1790)の春、建立されたと伝えられている。

 本堂は、素木(しらき)造りで、禅宗様式を加味した、この地方には珍しい壮大な造りである。屋根は宝形造りで、方三間、二重の疎垂木。柱は円柱や八角柱を用い、出三ツ斗(ます)で、頭貫上には台輪を回し、柱間の中備えにも組物がある。堂の三方は横板壁で囲まれている。回廊と天井は未完成で、内部から斗きょう(ときょう)が見える。堂内は拭板敷で、四天柱を境に内陣があり、腰高の祭壇となっている。

 本堂は、米山山頂にある奥の院の祭殿として営まれたことから「御仮屋」の呼び名が残っている。四月祭り(春まち)と夏の終わりの八朔祭りは、米山祭りと称せられ、近郷近在より多くの人々が集まり、賑わいをみせていたという。


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