塙町の文化財 -038/105page

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一、木造大日如来坐像

木造大日如来坐像
木造大日如来坐像

江戸時代
天照寺 大字伊香字高野里
 像高 四四・八p
寄木造 玉眼嵌入 漆箔

 宝冠を戴き、両手は胸前で、左拳の人差指を右の拳で握る智拳印(ちけんいん)を結び、右足を外にして結跏趺坐(けつかふざ)する。金剛界(こんごうかい)の大日如来である。大日如来は、密教(みっきょう)における最高の存在である。他の如来とちがい、宝冠を戴き、髪を結い、条帛(じょうはく)、裳(も)をつけた菩薩の姿であらわされる。

 構造は、頭部は耳前を通る線で前後に二材を矧ぎ、三道(さんどう)の下あたりで体躯に挿し込んでいるようである。体幹部は、前後に二材を矧いでいるようで、脚部は横に一材を矧ぐ。両腕は各別材で、それぞれ肩で矧いでいる。左肩よりかかる条帛や裳には、花文(かもん)や網目文(あみめもん)などの文様が描かれている。

 天照寺はすでにすたれてしまい、現在はその跡地に堂宇が残されているにすぎない。この像はその中に安置されている。条帛や裳に文様を描くなど、丁寧につくられている。体の調和は程よく保たれているが、反面、形式化も著しく進み、造移的な力強さに欠ける。表情にも無気力さがうかがえる。

二、木造地蔵菩薩坐像

江戸時代
菊池家 大字真名畑字荒屋
 像高 三四・○p
一木造 彫眼 素地仕上げ

 円頂とし、柄衣(のうえ)は左肩を覆い右肩に少しかかる。現在、両手は失われているが、もとは宝珠(ほうじゅ)と錫杖(しゃくじょう)を持っていたのであろう。右足を外にして結跏趺坐する。


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