塙町の文化財 -044/105page

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十、木造薬師如来坐像

木造薬師如来坐像
木造薬師如来坐像

江戸時代
薬王寺 大字台宿字大久保
 像高 八三・0p
寄木造 玉眼嵌入 漆箔

 粒状の螺髪(ろほつ)を彫出し、肉漢字珠(につけいしゆ)、白毫相(びゃくごうそう)をあらわす。これらは水晶をはめ込んでいる。左肩を覆い右肩に少しかかる衲衣(のうえ)をつけ、左手は膝上におき五指をのばし、右手は胸前にあげ同じく五指を軽くのばす。左手には薬師如来であることを示す薬壼(やつこ)をのせていたが、現在それは失われている。

 頭部は両耳前を通る線で前後に二材を矧ぎ、三道下で体躯に挿し込む。体幹部は、前後に二材を寄せる。脚部は横に一材を矧ぐ。その他、細部に小材を矧いでいるが、像の中心部は一般的な木の寄せ方をしている。

 この像は、もと当寺の客殿の本尊であったが、現在では薬師堂の本尊となっている。この町の仏像では、比較的大きな像である。しかし作風は、江戸時代の定型化したものである。頭部が前傾し、横からみると顔貌は両頬の肉付がそがれたようになり、平板な印象を受ける。平板な印象は体躯の造形にも通じ、像の大きさの割には迫力に欠ける。

十一、木造大日如来坐像

木造大日如来坐像
木造大日如来坐像

江戸時代
宝泉寺 大字上石井字仲花
 像高 四六・二p
寄木造 玉眼嵌入 漆箔

 銅製透彫(すかしぼり)の宝冠(ほうかん)を戴き、左肩より条帛(はく)を かけ、裳(も)をつけ右足を外にして結跏趺坐する。菩薩のお姿である。現在、両手首より


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