塙町の文化財 -088/105page

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塙町の祭

塙の灯籠流し

花火

灯籠流し

 民俗行事とし、早くから旧盆の終る七月十六日には、各戸毎に先祖の精霊を送り出す諸行事を行ったが、その一つに、海岸や、川辺の家では、板や紙等をもって、小さな灯籠を作り、火をともして水上へ浮かべ送り出す、いわゆる灯籠流しが行われた。県内にも、地域行事として行われ、県都福島では、阿武隈川での行事は早くより行われている。

 ここ塙の灯籠流しは、故金沢春友さんの書かれたものに依ると、昭和五年七月末(当時常豊村長)時の行事であった。在郷軍人の点呼があり、執行官がここ塙の桜木橋を渡られた折、川の流れが緩やかであり、灯籠流しには、好適な所との話があり、時の常豊小学校長深沢定先生と共に実行にかかり、同校職員であった鈴木泰芳氏に尽力を依頼、塙の青年会を動かし始められた行事とされている。

 その後年々受けつがれ、精霊供養はもとより、花火打上げ、盆踊り大会等併せ行われてきたが、新暦の生活となっては、八月十六日に行われ、更に他町村との行事のかかわりから十五日の行事となり、又灯籠も従来のものへ加えるに創意工夫が見られる。大型となり、賑やかに当地方の年中行事の一つとなっている。


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