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塙の愛宕神社祭礼
塙上町に鎮座する愛宕神社は、江戸時代の初期承応二年(一六五三)八月、塙の旧家秦家の取計らいにより、京都の北西愛宕山にある。古社の御分霊を受け、建立したとの文献がある。明治の廃仏棄釈までは、その下にあった真成院正福寺が管掌し、社寺共に、境内七反五畝と、氏子により維持されていた。明治以降、境内の社木等の売却等により、維持されたとのことである。
本社の京都愛宕神社が奈良時代太宝年間に祀られ、祭神が防火の神であったことから、崇敬と保護とが重ねられ、そのため塙でも火災の少ない所とされてきたが、戦後、重ねて大火災があり、これは年毎の祭典をおろそかにした為として、昭和二十七年七月二十四日には、祭典復興の大祭礼が行われた。以後年毎に、又三年毎の大祭典には、種々の催しを加え消防団も参加し、五彩の放水をするなど、又、神輿の渡御には、古式の行列をもって、賑やかに行われ、防火予防行事と重ねて、町民からも迎えられている。