ふるさとのむかし話-008/42age

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彦次郎の仁王田

むかしむかし、正直で、おやくしさまへの信こうが、大変にあつい、彦次郎という百姓が、おりました。
ある年の春、彦次郎の家では、子供達が次々と流行のやまいでなくなり、妻は長い間おもい病気でねたままとなり、彦次郎も健康がすぐれず、ねたりおきたりの不幸が重なりました。そして、よそでは田植えも終ったというのに、田の代かきもできない状たいでした。しかし、こんな時でも、彦次郎はおやくしさまへの日参を、できるかぎり欠かしませんでした。
そして、ある朝、「こんにちは、こんにちは。」という、元気な声に、彦次郎が、健康のすぐれない、おもい足どりででてみると、身の丈六尺(約一.八メートル)はある、くっきょうな若者二人が、「今日は仕事の手伝いにきました。農具をかしてく

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