ふるさとのむかし話-013/42age
ぐなんて。」と、それをみながらヒソヒソと話をかわしていました。すると、山の方からあの丸太をかつぎ、けわしいぎょうそうをして、庄屋のやしきに向う太郎の姿が見えました。村人はその表情におどろき、太郎のあとをついていきました。
そして、庄屋のやしきにつくと、丸太を両手でかかえこみ、門にむかって、「ドーン」とつくと、門はぶちやぶられ、広い庭にひろげられたまっ白な米の海がみえました。「おらみだんだ。まったく悪い庄屋だ。新しい米は入りぎんにほどくらにつまってんのに!!。そして、古い米に虫つかねようにってこうだに虫ぼししてんのに。」と太郎がいうと、村人はいっせいにいかりの声をあげ、娘のなわをとき、奥で米つきの仕事をさせられていた娘の親父をたすけだし、悪い庄屋をこらしめました。
そして、村はまた平和になり、村人に、「あんたの目だまは本当にすごいもんだ。だれがいづどごで悪いごどしても、いづでもわがるように、いづでもかわりににらんででくんちぇ。」とたのまれ、太郎は息をひきとるまで、朝日山の頂上に毎日でかけては、村の平和をみまもったそうです。