ふるさとのむかし話-014/42age

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十六ささげとごまのから

むかしむかし、北野神社の氏子に、どうにも手のつけようがない、ひとりものの、五郎兵衛というほうとう者の百姓がすんでおりました。
それはちょうど、北野神社の秋まつりのことでした。五郎兵衛は、その日もまた、酒を朝からしこたまのみ、「ケッ、ばがこげえ、神さまなんてどこにもいるもんであっか。もしいだら、矢でも鉄ぽうでももってきて、このおれさまを、しこたまぶじのめしてみろ。」と、大変ごきげんでした。そして、夕方、五郎兵衛は、豊年踊りでにぎわう神社へでかけました。境内は、氏子達の豊年の喜びで、いっぱいの人だかりでした。
ドンドコドン、ドンドコドン、ドンドコドンドンドン、…、という大鼓の音にあわせて、十五か十六の娘が、一人で楽しそうに踊っているのが、踊りのわの中に

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