ふるさとのむかし話-021/42age
もなかったということです。
月日のたつのは早いもので、それこそ、ちょうよ花よと、下にもおかぬ育てようで、何ごともなく七年がすぎた春のこと、娘の成長ぶりを方部の人たちに見てもらおうと、観音さまの境内で花見の宴を開きましたが、長者の日頃のごうまんさに酒も手伝ったのでしょう。「この観音さまはうそつきだ。子供がさずかるようにお願いしたが、子供はさずかるべくしてさずかったのだ。そのしょうこに、観音さまのご利益で子供がさずかったならば、四年たてばどちらか死んでいるはずなのに、七年たっても、おれたち夫婦、そろってピンピンしているでは