ふるさとのむかし話-029/42age

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ると、痛みはさらにひどくなりました。
数か月後、夫婦は、いくらたっても病気がよくならないので、あの大石のたたりにちがいないと、自分たちのしたことをふかくくい、なみだをながし大石にゆるしをこいました。すると、「きよめてくれー。酒で洗ってくれー。」と、大石の声がきこえました。夫婦は、いわれたように酒をよういし、心をこめて、大石をすっかりと酒で洗いきよめると、痛みはなくなり、病気はまもなくなおってしまいました。それからは、この夫婦はまじめになり、酒もぷっつりとやめて、毎日この大石を酒で洗いきよめるのを日課としたそうです。
この高さ五メートル、幅四メートルの、自然石の大石は、村の人から取上石とよばれるようになり、子供のできない夫婦は、二人そろって酒で大石を洗うと、子供ができるといわれるようになりました。また、お産の前に、取上石をさするとなん産からのがれられるとも、いわれるようになりました。
そして、いまでも、田植えの前になると、おみきと赤まんまをおそなえし、安産と

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