ふるさとのむかし話-033/42age
そして、太郎蔵の死期もいよいよとなったある日、倉蔵をまくらもとによんで、「ああ、わしは易者のいうことをまにうけて、おうぎおどりの者を弓でうったのはまちがいだった…。」と、太郎蔵はいうと息をひきとってしまいました。
その後、生活が苦しくなりとほうにくれた倉蔵は、あの時の福の神のことばを思いだし、福井に行き、近頃めっきりと金持になったというある農家をおとずれ、「福の神さま、私は渡瀬村の倉蔵です。いまとてもこまっています。どうぞおたすけください。」と、心をこめてていねいにおがみました。すると、生活はだんだんとすこしずつ楽になっていきました。そして、倉蔵は