ふるさとのむかし話-036/42age
た。喜んだ源工門は、子供に家で夕飯をたべていくようにいうと、だまったまま、子供は下の小川へおりて行きました。
そして、しばらくの間、源工門は子供をまちました。しかし、いつまでたっても、もどってこないので、下の小川へ行くと、子供の姿はみあたりませんでした。源工門は、それでは小川にそってたててある、地蔵堂であそんでいるにちがいないと、中に入っていくと、泥のついた足あとが床にあり、地蔵さまの足は、泥土でドロドロによごれていました。また、その顔は、さきほどの子供の顔とそっくりでした。
源工門は、この五月のいそがしいときに、たったひとりで仕事をしている、自分をあわれにおぼしめしくださって、地蔵さまがお助けになったにちがいないと、床にひ