ふるさとのむかし話-039/42age

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まはどなたでしょうか。」とたずねると、「私は、太郎兵衛山に住む太郎兵衛というものです。あなたさまには、何度もおあいいたしましたが、何のあいさつもしませんで、大変失礼いたしました。じつは、私が妙見山のふもとの庵太郎の息子のところへ墓地石に住むおよしの娘を世話をし、今日は、小樽入れで祝儀の日取りをきめるために、墓地石に行くのです。庵太郎さんから連らくがいくとおもいますが、祝儀にはぜひおいでを願います。」といわれました。
おっつけ、庵太郎から祝儀にきてくれるようにと使いの者がきて、長兵衛は、その日を指おりかぞえ、祝儀に大喜びででかけました。そして、長兵衛が行くと、ちょうど花よめが馬でのりこんだところでした。庵太郎の家は、たいそうりっぱなつくりでざしき中にま新しいたたみがしきつめられ、客人がおうぜいよばれてあつまっていました。そして、だれ一人として知った顔のない客人の中で、長兵衛は、ご指南役で三つ紋付きのはおりはかまのよくにあう、太郎兵衛を上ざしきの床柱の前にみつけるとなぜか大変安心し、夜のふけるのもわすれ深夜まで、山海の珍味と酒をたらふくごち

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