体験学習の手引き -029/036page

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民 俗 芸 能

1. 神楽(かぐら)

(1)蚕養(こがい)国神社(じんじゃ)や神明神社(しんめいじんじゃ)に残る太々神楽(だいだいかぐら)
 会津若松市には出雲(いずも)流神楽と獅子神楽(ししかぐら)の伝承(でんしょう)があります。この蚕養(こがい)国神社(じんじゃ)や神明神社(しんめいじんじゃ)で見られ る神楽は出雲流の神楽です。蚕養(こがい)国神社(じんじゃ)は日本一社で第52代嵯峨天皇(さがてんのう)の弘仁(こうにん)2年(811)に建て られたと伝えられています。途中兵火にあい、保科正之(ほしなまさゆき)が復興(ふっこう)に力をつくしました。その後再び 焼失(しょうしつ)の難(なん)にあっていますが、文政2年(1819)松平容敬(かたたか)が社殿を再興して今日に至るといわれま す。

 毎年4月19、20日の2日間と8月1日、2 日の例大祭のうち8月に太々神楽(だいだいかぐら)が神社の神 楽殿(かぐらでん)で奉納されます。神楽面(かぐらめん)や道具などの古 い物が残されており、古くから神楽があった ことがわかります。年代を明らかにする文献や 資料もなく、由緒や沿革も不明ですが、古老 の伝えによると幕末の動乱期にとだえ、明治 初年に復活させたそうです。復活後は舞人、 楽人ともよそから招くようになり、現在もこの方法によって演じられています。

 また、神明神社については、応安2年(1369)に飯篠盛枝(いいしのもりえ)が神体(しんたい)を奉じてきたといわれ、のち 芦名(あしな)氏が深く信じて神社を創設したということです。現在の神楽殿は大正4年に改築され昭和 45年に今の場所に建てかえられたものです。毎年8月4日の例大祭日に演じられます。午後1時 ころから始め、休憩をはさみ夜に及びます。楽人が蚕養国神社のときと同一人であるので、神楽 の内容は同じです。神明神社の神楽面はすべて近年の新調で、現在は14面あります。

太々神楽

(2)太神楽(だいかぐら)
 これは奥州流(おおしゅうりゅう)と称する獅子神楽(ししかぐら)で、興行(こうぎょう)は、いわきと会津一円が中心で、毎年正月の1ヵ月間 は浜通りのいわき地方を回るのが以前からの ならわしで、会津神楽といって今でも歓迎さ れています。

 会津地方は春神楽といって、春に回ります。 以前は単独で興行していましたが、他の神楽と 合同で興行することもあります。また芦(あし)ノ牧(まき)温 泉や東山温泉などの団体客の希望があったと きなども興行します。

太神楽


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