すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -004/197page

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まってきます。

 柱にしばられたまま、かし子はいろいろなことを考えます。

「あの人は、私の母さんではないんだ。私の母さんは、遠い会津で死んだんだ。
 あの人は、よその人なんだ。私には関係ない人なんだ。でも、どうして、私はあんな人といっしょにいるんだろう。父さんはどうしたんだろう。どこにいるんだろうう。」


幼いころ


 かし子は、ほんとうの母と遊んだ幼(おさな)い日のことを思い出します。それはつい先日のこととも思えるし、速い昔のこととも思えるのです。

 家のそばに、お寺がありました。かし子は、母に連れられてよく遊びに行き


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