すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -005/197page
ました。大きな木が枝をひろげ、その下をきれいな水が流れていました。木の葉の間から、やわらかい秋のタ日がさして、お城がかがやいてみえました。
会津に大きな戦争があって、逃げたときのことも、少しはおぼえています。
あのころ、父は、殿さまといっしょに京都(きょうと)の方に行っていて、家にはいませんでした。敵が会津に攻めこんできたときは、お城の早鐘(はやがね)が鳴らされて、町の中は大さわぎでした。
「かし子は、お父さまがいなくとも武士