すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -009/197page
養母(ようぼ)は、かし子の弱々しいからだを心配するあまり、いろいろと気を使うのですが、かし子にはその気持ちが通じません。自分の親切が相手にわかってもらえず、養母は困(こま)りはててしまいます。二人の間は、だんだんと気まずくなり、かし子は、無ロ(むくち)で気がむずかしい少女に育っていきました。
養母は、かし子を『キダーさんの学校』にあずけました。そのころの横浜(よこはま)には、アメリカから来たキリスト教の牧師(ぼくし)さんが、数人の日本人を生徒として、主に英語を教えてくれるところがいくつかありました。『キダーさんの学校』もその1つでした。
しかし、かし子は、そこでもあまり勉強しません。養母は、かし子に女中をつけて、その女中も勉強しながらかし子をはげますのですが、かし子にとっては、それがまたわずらわしかったのです。
かし子は、ひとりになりたかった、広々(ひろぴろ)としたところがほしかった、あの会