すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -015/197page
どって島田(しまだ)、後に結婚して巌本(いわもと)と変わっていきます。
しかし、彼女が自分で名づけた名前は『若松賤子(わかまつしずこ)』 これが後にまで残っていく名前です。戦いに敗(やぶ)れた会津の土地は、明治になって若松県になります。
(後に福島県になります。)『若松』は、その生まれ故郷の名からつけたのでしょう。
また、『賤子』は、キリスト教の神のしもべの意味からつけたといわれています。または貧(まず)しい民の子、名もない子の意味とも考えられます。会津の貧しい武士の子として生まれ、新しい西洋文明の横浜(よこはま)でキリスト教の学校で育ちながら、なお、日本の古い伝統(でんとう)から離れることなく、会津武士の子としての誇(ほこ)りを捨てず『賤子』の名を選んだのではないかとも思われます。