すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -044/197page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

ぐれた作品を数多(かずおお)く残しています。

 連歌師(れんがし)の旅は、第一に古典(こてん)の勉強です。古今集(こきんしゅう)や源氏物語(げんじものがたり))、伊勢(いせ)物語などの古典や短歌の勉強は、直接(ちょくせつ)先生のロから聞いて学ばなければならなかったのです。さらに、連歌師たちはその学んだことを地方の大名や有力者たちに教えて、お礼(れい)のお金をもらいました。それが連歌師たちの生活をささえる収入(しゅぅにゅう)となっていたのです。だから、古典を学ぶためにも、収入を得(え)るためにも、連歌師は旅をしなければならなかったのです。

 第二には、自分の連歌をみがくためにも旅は必要でした。歌枕(うたまくら)の旅といわれるものです。歌枕とは、昔の歌人がすぐれた短歌をよんだ場所のことです。その歌枕をたずねて歩き、その同じ場所で昔(むかし)の歌人と同じような感じ方をするためにたずね歩く旅をしたのです。その旅はただ自然を観察(かんさつ)するためだけの旅ではありません。昔のすぐれた歌人が感じた自然の中に自分もはいりこんで、自


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は会津若松市教育委員会に帰属します。
会津若松市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。