すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -045/197page
然と一体となる感じ方をとらえ、すぐれた歌のこころを身につける旅でなければならなかったのです。
32歳の早春(そうしゅん)に旅に出た兼載(けんさい)は、北陸(ほくりく)から関東(かんとう)の各地をまわって、伊勢(いせ)、吉野(よしの)、大坂(おおさか)、淡路島(あわじしま)、奈良(なら)、比叡山(ひえいざん)と続きます。途中、二度ほど京都にもどりますが、それでもすぐに旅に出る生活が続くのです。
このころ、京都を中心として十年あまりも続いた応仁(おうにん)の乱(らん)はすでに終わっていましたが、各地では一揆(いっき)がおこったり、