すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -051/197page
『あしたの雲』 一巻をあらわし、翌明応(めいおう)五年(1496年)春、京都にかえってきました。
たぐひなく心とどめしことの葉(は)に
今(いま)は涙(なみだ)の玉(たま)ぞつらなる
ふるさと会津へ
こうして、兼載(けんさい)は、連歌師(れんがし)としての地位(ちい)をたしかなものにしていきました。京都にかえった後(のち)も、吉野(よしの)、奈良(なら)、大坂(おおさか)、伊勢(いせ)と連歌師の旅は続きます。連歌の指導もあり、自分の勉強もありました。
また、関東(かんとう)をもふたたび訪(おとず)れ、現在の群馬県(ぐんまけん)や千葉県(ちばけん)あたりの大名に招(まね)かれたり、各地の神社やお寺をたずねたりしました。福島県でも、白河(しらかわ)やいわきの