すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -055/197page
一声(ひとこえ)に遠山青(とおやまあお)し時鳥(ほととぎす)(黒川)
兼載(けんさい)は、故郷において、会津の生んだ大文学者として、芦名(あしな)領主だけではなく、重臣の間でも手厚(てあつ)くもてなされました。兼載もまた、会津の人々に連歌(れんが)を指導するだけでなく、自分が各地で学んできた源氏物語(けんじものがたり)などの古典(こてん)の学問を、故郷の人々に教えたりしました。
墳 桜(つかざくら)
兼載(けんさい)は、会津にいた間にも、何度か関東(かんとう)に旅をしています。文亀二年(1502年)といえば、兼載が会津入りをした年ですが、その年には先輩(せんばい)の宗祇(そうぎ)がなくなったという知らせをうけて、箱根(はこね)の湯本(ゆもと)に出かけました。宗祇は82年の一生を、旅の途中で終えたのです。