すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -072/197page
訴(うった)えました。
岩子が、これまでに貧しい人々を助けてきたことを知っていた県の役人は、岩子の考えに深く感激して、
「東京へ行って救養会所(きゅうようかいしょ)の仕事をしっかり勉強してきてください。会津の貧し い人々を救(すく)うために働いてください。」
と、はげましてお金をおくりました。
明治四年(1871年)十一月、岩子は上京しました。43歳のときです。
はるばる遠くの会津から、女の人ひとりで救養会所の仕事を見習いに来たという熱意に感動した救養会所の人々は、岩子に救助(きゅうじょ)の方法や子供の教育について、ていねいに教えてくれました。
岩子は、ことばで教えを受けるだけでなく、実際の仕事を身につけたいと、6ケ月も救養会所の仕事を手伝いました。