すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -077/197page
しました。
このことを知った質屋(しちや)の主人は、岩子のなさけ深い心に感激して、自分でも米一俵を岩子の家に持ってきて、ご飯たきの活動を助けたのです。これを聞いた町の人々からも米の寄付(きふ)があり、多くの因っている人々にご飯を分け与えることができたので、人々から感謝されました。
また、水あめの製法(せいほう)を工夫(くふう)して、そのしぼりかすからお菓子や焼きもちをつくり、貧しい人たちにあたえ、ひもじさから救(すく)うための食糧(しょくりょう)としました。
しかし、このように社会のため、貧しい人々のために働いている岩子の生活も楽ではありませんでした。
長男の仕送りのお金と、孫が薬剤師(やくざいし)として受ける給料(きゅうりょう)と、三女の娘のはた織りや裁縫(さいほう)のエ貨(こうちん)などを合わせてもわずかな収入でした。その少ない生活費をけずって、貧しさに因っている人々を救うために使っていました。