すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -090/197page
る徳川昭武(とくがわあきたけ)といっしょに、遠くフランスのパリの万国博覧会(ばんこくはくらんかい)に招待(しょうたい))される一人にえらばれました。
結婚したばかりのリンは、夫(おっと)が京都や外国に行って留守(るす)がちであったので、結婚するとすぐ家庭にしばりつけられたそのころの嫁(よめ)とちがって、わりあい自由な時間をもつことができました。だから、実家に病気の父を見舞ったり、自分のことも自由に考えたりすることができたのです。
城門のうちそとで夫と別れたリンは、会津高田にのがれていきました。敵が攻(せ)めてくるというので、辞世(じせい)の歌をよみ、なぎなたをとって、戦う用意をしたこともありましたが、敵は横にそれて行ったので戦わないですみました。会津若松の方から、大砲(たいほう)の音や鉄砲(てっぽう)の音が、毎日聞こえましたが、会津高田は戦いもなく静かでした。lヵ月後、お城が敵の手に落ちて、はげしい戦いは終わりました。