すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -101/197page
ったことに反対であったのです。
ある夜のことです。娘のモトを寝かしつけていたリンは、季昌(すえまさ)によばれました。
「何か、御用(ごよう)ですか。」
寝しずまった家の中で、しばらく黙(だま)って考えにふけっていた季昌は、静かなロ調(くちょう)で、しかし、きっぱりと、
「キリスト教を信ずることはやめなさい。さもなければ、この家から出ていきなさい。」
というのです。突然な言い方にリンは驚きました。
「いやです。私にはとてもできません。それだけはどうしてもできません。私はいやです。」
「出ていかないならば、−どうしても出ていかぬというならば、私が出ていく。」