すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -112/197page

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夫の心を開く



 明治三十年(1897年)、リンは過労(かろう)のために、病(やま)いの床(とこ)から起きられなくなりました。

「わたしは、病気で休みがちですが、たくさんの園児(えんじ)の皆さんに、けががないよう、毎日神さまにお祈(いの)りしています。」

 リンの頭の中は、幼稚園(ようちえん)のことがいつも離れませんでした。幼稚園長として、また、女学校の貴任者(せきにんしゃ)として、いろいろとむずかしい問題をかかえたリンは、家庭にあっては、信仰(しんこう)の上で夫(おっと)に一歩もゆずれないという緊張(きんちょう)が続いていました。

 リンは健康をとりもどすことなく、幼稚園や女学校の経営(けいえい)のために働き続け


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