すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -136/197page

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ように全体がはげてしまいました。五郎は (犬の肉を食べたたたりかも知れない) と思いました。しかし、その異状な抜け毛は、長い間の栄養失調と、冬にわずらった熱病が原因でした。



落(おとし)の沢(さわ)



 春をむかえて、柴一家は永住の地を 「落(おとし)の沢(さわ)」 に求めました。やっと冬を越しましたが、このまま秋になり冬がくれば餓死(がし)してしまいます。なんとか開拓地を求めて、食べものを作らなければなりません。

 「落の沢」は、田名部よりさらに山奥に入ったところですが、一軒家(いつけんや)を借りることができたのでここをえらんだのでした。柴家のほか、家は百米ほどはなれたところに一軒あるだけで、人も犬もよりつかず、狐(きつね)の声、小鳥の声が聞え


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