すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -141/197page

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生涯(しょうがい)最良の日

 明治四年(1871年)十二月なかばすぎ、どん底生活の柴家に喜びの声があがりました。旧斗南(となみ)藩士族の子弟(してい)の中から、優秀な少年二人をえらんで、青森県庁が給仕(きゆうじ)に採用することになり、それに五郎が入ったのでした。もう一人は、田名部(たなぶ)の日新館の秀オで五郎より一級先輩(せんぱい)の森寅之助(もりとらのすけ)でした。日頃無口の佐多蔵(さたぞう)も、顔をほころばして喜びました。

 五郎か県庁につとめたときの青森県大参事(だいさんじ)が、熊本出身の野田豁通(のだひろみち)でした。大参事とは知事につぐ職でこの人との出会いが、五郎の将来に大きな影響を与えることになります。


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