すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -143/197page
方から人カ車(じんりきしゃ)を数台つらねてくる一行に出会いました。なにげなく一行をながめていた五郎は、車上の一人を見てわれとわが目をうたがいました。なんと、それは青森で別れてきた野田豁道(のだひろみち)ではありませんか。五郎はおどろきで言葉も出ず、じっと見つめたままでした。野田も五郎に気づき、近づいてきて車を止めさせました。五郎は帽子をぬいでふかぶかとおじぎをしました。
「柴ではないか、どうしたのだ。こんなところで何をしている。」