すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -162/197page

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けれはならないと考えた。そこで、落ちついて学問をさせるには、戦争に勝った長州(ちょうしゅう)藩の人に頼むのが、もっともよい方法だと考え、奥平謙輔(おくだいらけんすけ)に、会津藩の若者の教育を頼んだ。秋月を尊敬していた奥平は、秋月の気持ちを察(さっ)して、快(こころよ)く引き受けるという返事をよこした。

 このとき、将来を期待されて選ばれたのが、山川健次郎と小川亮(りょう)の二人だった。小川は、当時、秀才少年で名がとおっていた。健次郎は、戦後の混乱(こんらん)の中で将来への不安を抱(いだ)きながらも、学問ができるうれしさに、心の中では胸をおどらせていた。そして、きっと会津のために役立つ人間になろうと、心に誓(ちか)った。二人の少年は、河井善順(かわいぜんじゅん)というお坊さんに連れられて、会津をひそかにぬけ出し、奥平のいる新潟へ行くことになった。

 このころ、会津は薩摩(さつま)や長州の軍隊に占領(せんりょう)されていたので、敗(やぶ)れた会津の武士が出歩くことは、禁止されていた。脱走とわかってつかまれば殺されるかも


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