すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -164/197page
かった髪(かみ)で、なんとかマゲを結ったが、短いのですぐにばらばらになってしまう。呼びとめられるたびに、
「もうこれで終わりか。」
と死ぬ覚悟(かくご)をきめた。しかし、そのたびにお坊さんがうまく言いわけをしてくれて、無事に新潟へたどりつくことができた。十一月二十二日のことである。もう新潟まで来ると、会津藩への取り調べはきびしくなかった。このとき、奥平(おくだいら)は佐渡(さど)に行っていたので、二人もそのあとを追った。新潟からの船の中、これから、この海のむこうにどんなことが待ちうけているのかと、不安を感じながらも、自分にあたえられた大切な務めを考えると、身のひきしまる思いであった。奥平は、二人が無事に到着(とうちゃく)したのを喜び、しっかり勉強するようにはげました。
佐渡についた二人の少年は、ようやく安心して勉強することができるように