すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -168/197page

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 学問に意欲(いよく)をもやす健次郎は、友人数名と、あくまで東京に残って勉強しようと決心し、会津にいるころからの知り合いであった、沼間守一(ぬまもりいち)の塾(じゅく)に入門することになった。健次郎は、この塾で、年下の者に英語のABCを教えたりもした。

 沼間の世話で食事の不自由はなくなったが、本を買う金などはもちろんなかった。そこで、他の塾生の本を借りて、みんなが遊んでいる間に写(うつ)し取ってまにあわせた。学問をしたい一心の健次郎にとって、これくらいのことは苦しみとは感じられなかった。勉強できることだけが喜びだった。


はじめての算数

 沼間(ぬま)塾で、健次郎は生まれてはじめて算数の勉強をした。十七歳のときであ


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