すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -173/197page
メートルほど離(はな)れて止った。そうするうちに、船からは、手紙などの荷物(にもつ)を積みこんだ二隻のボートがおろされ、船員がこぎはじめた。そして、向うの船で荷物の交換(こうかん)をしてもどってきた。甲板(かんぱん)の上から、かたずをのんでこのようすを、じっと眺めていた健次郎は感動した。
「ヨーロツパやアメリカの学問は、いったいどのくらい進んでいるのだろうか、日本のおくれているのはこれだ。日本の政治や経済(けいざい)を発展させるには、まず、科学をさかんにしなければならない。」
と、強く心に感じた。この体験は、健次郎の将来を決定したできごとだった。
自然科学を学ぶ
「よし、私は、科学の勉強をして日本のために尽(つ)くそう。」