すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -175/197page

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が大へんめずらしがられたし、まじめな学習ぶりだったので、親切にされ、落第点だけはとらずにすんだ。こうして、新しい科学の勉強に燃(も)やす健次郎の熱意には、まわりの人びとは驚き、感心した。健次郎にとって、今まで考えたこともなかった、自然科学のすべてが驚きであり、神秘(しんぴ)でさえあった。この一つ一つを解決していく喜びに、健次郎の胸は高鳴り興奮(こうふん)の毎日が過ぎた。

 大学も、あと一年半で卒業というとき、日本から突然(とつぜん)帰国(きこく)命令が出た。外国への留学生が多すぎて、お金が大へんなので、留学生の数をへらそうという、日本政府の方針(ほうしん)なのである。健次郎は困ってしまった。せっかくわかりかけてきた科学の世界なのに、このままでは、今まで努カしてきたすべてが無駄(むだ)にな

写真「若き日の健次郎」


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