すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -177/197page

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健次郎は、さっそく友人と連れ立ってバンドマン夫人をおとずれた。そして、会津戦争後、学問の道を志(こころざ)して努力してきたようすを語り、このアメリカでぜひとも科学の勉強を続けたいと、自分の気持ちを残らずうちあけた。じっと聞き入っていたバンドマン夫人は、深くうなずき、

「わかりました。あなたは、学問に命をかけて大へん苦労をしてきたようです。新しい科学の研究を目ざすあなたの決心はすばらしいことです。あなたが大学を卒業するまで、私がお金を出してあげましょう。ただし、一つだけ条件があります。」

「なんでしょうか。私の良心の許(ゆる)すことでしたら、どんなことでもお約束いたします。」

健次郎は、一瞬(いっしゅん)、不安な気持ちにかられながらそう答えた。

「ほかでもありません。あなたが大学を卒業して日本へ帰ったならば、あなた


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