すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -004/203page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

し、指のつけ根をつきさそうとしましたが、それもできませんでした。

今では、「てんぼう」とは言われなくなりましたが、村人のぼくを見る眼は、かたわ者を見る冷(つめ)たいあわれみの眼です。この左手をどんなにかくしても、手首のかたまりは、なおりません。この左手があるがぎり、貧乏(びんぼう)とかたわの名は消えません。大人(おとな)になっても百姓(ひゃくしょう)はできず、また、ほかの仕事もできず、これから先、どうしたらよいか、考えると世の中がまっ暗になってしまいます。

渡部医師と英世


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は会津若松市教育委員会に帰属します。
会津若松市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。