すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -012/203page
「また、なんで、あす食(く)う米にも困(こま)っているというのに。」
「少しぐらい勉強ができるからといって、その日ぐらしの百姓の子が、高等小学枚へ行くなんて、身のほど知らずに、あきれてしまう。」
「早く働かして、お金をとる考えでも、したらいいのにさ。」
村人たちは、寄るとさわるとこの話で、もちきりでした。
清作とシカも負けてはいません。
「ぼくの高等小学校での目的は、勉強することだ。友だちに勝てるのは、頭しかないんだ。左手が不自由でも、貧しくとも、一番になってみせる。」
「これからは、学問が第一だ。清作には、学問しかないんだ。」
と、がんばりました。
清作は、猪苗代の尋常科(じんじょうか)からいつも一番だった級友をぬいて、一番になりました。十ニキロもはなれた三城潟(さんじょうがた)から通ってきている清作が、一番になるなん