すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -014/203page
左手の手術も成功し、いよいよ高等小学枚の卒業の時期となって、自分の進むべき道をきめることになりました。同級生の中には、上の学校に進む者も何人かいました。一番で卒業する清作にとって、上の学校に行けないのが、なんとも残念でしかたがありません。そこで、小林先生のところへ相談に行きました。
「清作、お前のこれからは……、そうだなあ、学校の先生か……、村役場の役人か……、医者かな、これしかないと思うよ。しかし、医者は、独学では無理だろうな。」
「いや、先生、ぼくは、医者になります。無理かもしれません。けれども、ぼくは、必ず医者になります。ぼくのような体の悪い人を治(なお)したいのです。どんな苦しいことがあっても、耐(た)えてやります。独学でやります。」
と、清作は、きっぱりと言いました。