すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -015/203page
そして、手の手術をしてもらった渡部医師(わたなべいし)のもとに、書生(しょせい)として住みこみ、医学への道の第一歩をふみ出したのです。
夜、十二時過ぎ、清作は、医学の本を読んでいました。そこに、たずねてこられた人が、血脇守之助(ちわきもりのすけ)先生です。先生は東京の歯科(しか)の医師で、若松へ出張治療(しゅうちょうちりょう)にきておられました。
「いつまでも、よく勉強しているね。」
と、声をかけた血脇先生は、おどろきました。清作の読んでいた本は、フランス語で書かれている医学の本なのです。