すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -021/203page

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を忘れさせるため、酒をのむようになりました。酒をのむと気持ちが大きくなり、お金を使い、遊びまわり、生活がだんだん乱れていきました。それにつれて血脇(ちわき)先生や猪苗代高等小学校時代の友だちからの借金(しゃっきん)が多くなっていきました。

 そのころ、ある小説の主人公に 「野々口精作(ののぐちせいさく)」 という名の青年がいて、とても、頭がよく医者を志(こころざ)していました。その青年が、あることから酒におぼれ、悪い遊びをしてなまけ、だんだんとだらくしていくというのです。

清作は、この小説を読み、自分を見る思いがしました。今までの乱れた生活を正さなくてはならないと思い 「清作」 の名を変えることを考えました。

猪苗代に帰ったとき、このことを小林先生に相談しました。そして「英世(ひでよ)」という名をつけてもらいました。「英」は英雄(えいゆう)などに使い、すぐれるという意味、「世」は世界などに使い、広いという意味を持っています。

これから、「野口清作」は「野口英世」に生れ変ったのです。


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