すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -023/203page
カに向って出発しました。
アメリカに着いた英世は、すぐにフレキスナー教授をたずねました。
「フレキスナー先生、日本からきた野ロです。先生のところで研究させてください。」
フレキスナー教授は、ただ、ぼうぜんとして野ロの顔を見つめていました。しばらくたって、
「あ、野口君か、突然でびっくりするよ。いつきたんだね。」
「いま、着いたばかりです。先生の助手にしてください。」
「助手といっても、きみ、すぐにはできないんだよ。」
困(こま)った顔をして教授は、英世の申し出をことわりました。しかし、住むところもない英世を気の毒(どく)に思ってか、住むところは、さがしてくれました。古ぼけた屋根裏(やねうら)の部屋です。