すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -024/203page
たった三日間の出会いでつかんだアメリカ留学(りゅうがく)の夢を、あきらめるわけにはいきません。どこまでもやりぬく会津人のねばりがあります。英世の忍耐(にんたい)は、ここでも発揮(はっき)されます。連日(れんじつ)、フレキスナー教授のところに押しかけて、頼みました。年もせまった大みそかの日の午後、フレキスナー教授は、英世を自分の部屋に呼びました。
「野口君、きみは、毒蛇(どくじゃ)について研究したことがありますか。」
突然の質問に、英世はためらいましたが、ここで知らないと答えたら、何もかもおしまいになってしまうと考えた英世は、
「ハブのことなら知っています。」
と、答えました。
「そうですか、それはよかった。毒蛇の研究を手伝ってください。」
フレキスナー教授は、ついに英世を個人的な助手として、やとうことにしま