すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -047/203page
した。どうか、よろしくおねがいします。」
と吉十郎は、和尚さんの前で、頭をさげました。
「うむ、その話は聞いたよ。」
和尚さんは、しばらく、じっと吉十郎をみつめていました。
「ところで、お前は、いくつになったのかな。」
「十五になりました。」
「うむ、少し早いな。だが、お前ならできる。」
和尚さんは、気をとり直すように、お茶を一息(ひといき)に、のみほしました。
「で、吉十郎、いや、肝煎(きもいり)どの。まず何をやらねばならないかな。」
「はい、村の年貢米(ねんぐまい)がきちんと納められるようにすること。そして、洪水(こうずい)を防ぐ、洪水から村を守らなければならない、と思います。」
と吉十郎は、考えながら答えましたが、和尚さんの顔はにこやかに笑っていま